【ヘッダ・ガブラー】シス・カンパニー

大きな窓のあるセットは昨年観た「死の舞踏」を思い出させる
そういえば池田成志さんだった
戯曲があるのは知っていたけれど人生初「ヘッダ・ガブラー」
薄暗い室内、高い天井、男性の肖像画
最初に姿を見せるのは高齢の女性二人
新婚旅行から帰り新居で一夜過ごしたテスマン夫妻の登場から始まる物語
私はものすごく2時間サスペンスドラマのエッセンスを感じた
もうチヤホヤされなくなってきた女のあきらめ
でも見下していた相手の輝きをみてとった嫉妬
秘密の関係を迫ってくる男
家族のつながりが大切な優しい夫
で家政婦!
これからいくつのドラマが作れるか
以下ちょっと気になったこと
「ワーニャ伯父さん」でも出てきたが髪が美しいという美点
アル中(酒乱)って…
サロンを開くっていう夢は素敵だな
大学教授とはそんなに収入を保証されているのか
知らないことだらけ
でもなんだかわかりやすい演出だった(気がする)

【BADDY(バッディ)−悪党(ヤツ)は月からやって来る−】ショー・テント・タカラヅカ

  • 作・演出
    上田久美子

以前テレビでショーを見てみて途中で飽きてしまったこともあり
実は余り期待していなかったのだけれど
超面白かった
あぁ、宝塚は靴を履いて踊るダンスに特化しているんだと納得
指先、足先までびしっと決まっていて美しい
衣装も面白く特にBADDYの珠城りょうさん
昭和スターのような風貌、松方弘樹っぽい
タバコをくわえながらの場面が多く
これは涎が凄いことになっているのでは?
口の周りの筋肉が相当痛いのでは?何て思いながら
私の席周辺は宝塚慣れしている人が少ないようで
手拍子も消極的な中に一人熱心に笑顔で見入り、手拍子を率先して楽しそうにしてくれた方に引っ張られ
なんとなく手拍子をしている感じ
あの方に救われた感ありありの客席
またそれも楽しい

【カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-】ミュージカル・プレイ

  • 脚本・演出
    石田 昌也
    • 原作:伊吹 有喜『カンパニー』(新潮社刊)
  • 出演
    珠城りょう 愛希れいか 美弥るりか
    京三紗 憧花ゆりの 綾月せり 光月るう 夏月都 響れおな 宇月颯 玲実 くれあ 紫門ゆりや
    白雪さち花 千海華蘭 貴澄隼人 早乙女わかば 香咲蘭 輝月ゆうま 月城かなと 夢奈瑠音 叶羽時 蓮 つかさ 海乃美月 暁千星 美園さくら 輝生かなで 英かおと

私人生初宝塚
バレエをモチーフにした演目を目にして
どんなもんだろうと抽選に申し込んだらチケットが取れて
東京宝塚劇場
日生劇場やシアタークリエには何度か行ってますが初宝塚劇場
途中不安になって地図確かめて劇場へ
電車が遅れて少し遅くなってしまい劇場自体を楽しむ時間はなかったけれど
劇場部分は横長なのか、なんか「細い」って印象
チケットは2階席の3列目60番台で「S席買ったけどはずれの部類?」と思って席へたどり着くと
舞台が近くてびっくり
新国立劇場の中劇場の座席をイメージしていたけれど
ずっとコンパクト、すぐ下に舞台がある、嬉しい
さて、問題の演目なのだけれど
当たり前といえば当たり前だが、バレエ部分を楽しむ演目ではなかった
ストーリーとしてものすごく楽しかったかというとそうでもなかった
なので、少し残念
以下雑感

    • ショートカットのバレエ講師がものすごくバレエ講師っぽかった。上方も姿勢もあんな人ホントにいる。
    • バレエ団のプリマとして登場したお嬢様は「自己中心的な社長の娘でも実は良い人」役設定だと思うが、嫌な奴感が全くなくのっけから良い人にしか思えない。バレエ団のことも考え、自分の立ち居地もわきまえ、最後の展開は不憫な上にサポートまでして超善人。
    • 左遷された専務のことを途中同僚が「青柳さんの提案を自分の提案としていた」みたいなことを言われていたのを「部下の冒険的な挑戦の責任を負う優れた上司」的に受け取っていて、突然左遷されていて驚いた。こんな勘違いをするのは私だけだろうか。
    • どうしてもバレエ部分、つまさきが気になる。足上がんないよね(普通以上に上がってます)、少し重いよね(普通以上に跳べてます)、回れないよね(普通以上に回れてます)、は許せても、「つまさきーーーっ」。バレエシューズではなかったからなのか?
    • バーバリアンがかっこよかった。
    • 周り舞台を使ってのバレエの演出プランはありかも!実際やっているところはあるかもしれないが、残念ながら存じ上げない。今回の舞台では回っている円盤上で、ピケアラベス→シャッセアントラセをやられていたが、止まっているのにとても動きがあって面白かった。
    • ロットバルトにスポットを当てた白鳥のプランも興味深い。若い頃のように踊れなくなった男性ダンサーのために製作したという話もリアル。実際あったら観てみたい。

【財団法人親父倶楽部〜死んだと思って生きてみる〜】工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10 第17回公演

  • 作・演出
    後藤ひろひと(Piper)
  • 出演
    工藤俊作 久保田浩(遊気舎) 保 藤本陽子(DACTparty) 長橋遼也(リリパットアーミーセカンド) 後藤ひろひと(Piper)
  • スタッフ
    ・舞台監督:永易健介 ・舞台美術:池田ともゆき ・照明プラン:池辺茜 ・照明プランナー:葛西健一 ・音響:金子進一(T&Crew) ・宣伝美術:粟根まこと ・制作:岡本康子

2014年にできた新しい劇場ではじめての訪館
北沢タウンホールの地下にあるスペースなのに
てくてく歩いてスズナリまで行ってしまった
スズナリの方、スズナリの方って思ってたらスズナリだと思ってしまっていた
前日に下北沢駅の南口が閉鎖されて北口から無事にたどり着けるかどきどきしてたらこんなことになってしまったが
全席自由で整理番号での入場だというのだが
果たして発券されたチケットに印字されているのが整理番号なのだが不安なので
早めに行動していたのでそれでも開場の45分前には劇場到着
受付の方に整理番号はこれでいいのか確認して辺りをウロウロして入場を待つ
そんな早い番号ではなかったのだが案内時間に集っていなかった方が多く
最前列を確保
広くはないけれど綺麗な空間で閉塞感は薄い感じがする
ジリジリと開演を待ちトイレに出てみると向こうから久保田さんが歩いてこられ
ちょっとびっくりしてしまった

『平凡極まりない三人の五十代男性、田中・伊藤・鈴木は同じ日に余命わずかであるとの告知を受けた。人生の中で何の冒険も何の栄光も何の名声も無かった彼ら。三人の前に一人の謎めいた人物が現れる。その人物は「財団法人親父倶楽部」なる組織の所属を名乗った。「当倶楽部あなた達のような方々の可能性を応援しようと考えたのです。」
かくして始まるダメ親父達の様々な挑戦。使える予算はほぼ無限。危険も恥もおかまいなしに死ぬなら全てを経験しよう。死んだと思って生きてみる何かがきっと見つかるはずだ。』

金、土、日と続けて劇場へ足を運んだ幸せな週末だったのだが
前日の二日で見た芝居、ミュージカルが吹っ飛ぶくらいの面白い芝居だった
おじさん4人は不動の役で若者2人がさまざまな役しながら
おじさんたちの死での道へのあれやこれやが繰り広げられていくのだが
笑い笑い笑い涙笑い笑い涙の応酬で本当に面白かった
残念なことに羽曳野の伊藤を全然知らず(1作ぐらいは観ていたはずだが)
感慨深いってことを感じることができなかったのだけれども
今日そこに立つ羽曳野の伊藤をはじめてみても強烈でそりゃぁ凄かったです
後藤ひろひとさんの芸術的な本と
それぞれのおじ様たちの空気と独特の演じる技
小さい劇場でかつ客席間際まででばって演じてくれるので
長橋さんの指の刺青や藤本さんの綺麗な肌や女優メイクも堪能できて
それで3500円!、、、、お得すぎる
客席は私を含め年齢層は高めでしたが
こういった芝居を新作で新しい空間で楽しむことができるって素敵
台本を買って帰りました

初級 20人

レギュラーだと17時スタートで参加できないクラスだけれど
休日でもあり、開始時間が早まって
久しぶりに参加
初級なのに超絶難しい
例えばワルツ
クロワゼでプレパレーション→ソッテ、エカルテドゥバンでロン・ドゥ・ジャンブ・アンレール(できる人はダブル)→ロンドした足でピケアラベスク/×2→アラベスクの上げた足を前についてトンベクッペ→エカルテデリエールへトンベ・アッサンブレ、スシュ(クロワゼ)→ピケアンデダン×2→脚入れ替えてドゥバンデベロッペ、トンベパドブレクロワゼ前脚プリエ4th)→アンデタンピルエット(クロワゼ5th)→フェッテ、シソンヌフォンデュ(アロンジェ、ポーズ:見せて)→上げた足を前において4th→アンデオールピルエット(アンオー)→クロワゼ5thスシュ(両手前)、ポーズ
アレグロも難しかった
でも楽しかった!

【ぼくもいくさに征くのだけれど】青年劇場 第118回公演


  • 大西弘記
  • 演出
    関根信一
  • 出演
    島野仲代 中川為久朗 福原美佳 秋山亜紀子 高山康宏 矢野貴大 林田悠佑 池田咲子
  • スタッフ
    ・美術:乘峯雅寛 ・照明:河粼浩 ・音響効果:石井隆 ・衣裳:宮岡増枝 ・舞台監督:新庄広樹 ・演出助手:清原達之 ・製作:白木匡子 佐藤尚

公演自体を意識したのが1ヶ月前くらいで
青年劇場からはお知らせが届くので見てるはずなのに)
失礼ながら私の知らない方が作、演出で少し興味を持ったのだけれど
日程的にどうかなぁと思っているうちに公演が始まって
「やっぱり日がないなぁ諦めよう」と思っていた通勤中
突然トレンド入りした「右傾化を深く憂慮する一市民 (@brahmslover)」さんが
観にいったことをtweetしたのをキャッチして
午後休みにして当日券狙いで新宿へ
観にいくことを判断した午前中の私偉い!
素敵な舞台だった!
学校の演劇鑑賞会*1で上演するには少し長いかもしれないが休憩なしの120分
しかしながら少しも長くは感じず
主人公の少年宮斗のモノローグでポンポンとテンポ良く進む
宮斗少年の語りで話が展開していくので出ずっぱりで大変だなとは思うけれど
芝居慣れしていない観客も視点が変わらないので
話しが追いやすいのではないかと思う
(この劇場の客席に座っている人たちは慣れているとは思うが)
自死を考える少年が死への一歩が踏み出せないマンションの屋上から物語が始まる
「なんしとん?」と関西弁も飄々とした男性が出現
これが竹内浩三なのだけれども最後にもう一からくりあったのも素敵な展開
今の高校生のことも73年前の戦時下のことも知らないのだけれども
とても優しい目線でその二つを繋ぎ描かれ想像させてくれる
そして全然説教くさく笑いと涙の溢れる舞台だった
客席の泣き所がそれぞれ違うようで後半は始終誰かが洟すすって
でも笑いもたくさん
私としては竹内浩三さん、大西弘記さん、関根信一さんを知ることができたのがとても大きな収穫
再演があったら観にいこう
可能なら台本(戯曲)を読みたい
以下面白かったなと思ったこと

    • シンプルな舞台装置
      具体的なものはないけれど
      屋上の手すりや、居間の箪笥や、新幹線の座席が見える
      地方公演もこのぐらいだったらそう大変ではないのだろうか
      地方公演の何を知ってるというわけではないですが
    • 事なかれで対応していた宮斗君の担任教師との思いがけない再会は
      宮斗君以上の変化を彼にもたらした展開
    • 担任教師の彼女のリアルな感じ
      態度とか体型とか服装とか
    • 担任教師の彼女宅での父親の扱い
      家の呼び鈴が鳴って対応させらるのが素麺を茹でているその父親
      私はなんだかそこで泣きそうになってしまった
    • おばあちゃんが大きい
    • 良く聞く関西弁とはちょっと違う伊勢弁
    • ブラームス弦楽六重奏曲第1番が『秘密の花園』で聞くのと
      受ける印象がこんなに違うのかと
    • 私が中学生のとき学校に来た演劇鑑賞会の演目は『リア王』だったなぁ
    • 矢野貴大さんの声が優しくこもったようだけど聞きやすい
      また全体の雰囲気もよかった
    • パンフレットに使用されていた竹内浩三さんのイラストがかわいらしかった
      これはアステアかなと思うのもあって
      私と同じ映画を見て楽しんだんだと親近感
      生きていたら映画監督になれたのだろうか
      なったとしたらどんな作品を作ったのだろう
    • 先日観た『赤道の下のマクベス』と繋がっているの
      生きていたら、BC級戦犯となっていたかもしれない
    • 高校生の感想を聞いてみたい

*1:今年の後半から各地の学校を廻るらしい