【ぼくもいくさに征くのだけれど】青年劇場 第118回公演
- 作
大西弘記 - 演出
関根信一 - 出演
島野仲代 中川為久朗 福原美佳 秋山亜紀子 高山康宏 矢野貴大 林田悠佑 池田咲子 - スタッフ
・美術:乘峯雅寛 ・照明:河粼浩 ・音響効果:石井隆 ・衣裳:宮岡増枝 ・舞台監督:新庄広樹 ・演出助手:清原達之 ・製作:白木匡子 佐藤尚子
公演自体を意識したのが1ヶ月前くらいで
(青年劇場からはお知らせが届くので見てるはずなのに)
失礼ながら私の知らない方が作、演出で少し興味を持ったのだけれど
日程的にどうかなぁと思っているうちに公演が始まって
「やっぱり日がないなぁ諦めよう」と思っていた通勤中
突然トレンド入りした「右傾化を深く憂慮する一市民 (@brahmslover)」さんが
観にいったことをtweetしたのをキャッチして
午後休みにして当日券狙いで新宿へ
観にいくことを判断した午前中の私偉い!
素敵な舞台だった!
学校の演劇鑑賞会*1で上演するには少し長いかもしれないが休憩なしの120分
しかしながら少しも長くは感じず
主人公の少年宮斗のモノローグでポンポンとテンポ良く進む
宮斗少年の語りで話が展開していくので出ずっぱりで大変だなとは思うけれど
芝居慣れしていない観客も視点が変わらないので
話しが追いやすいのではないかと思う
(この劇場の客席に座っている人たちは慣れているとは思うが)
自死を考える少年が死への一歩が踏み出せないマンションの屋上から物語が始まる
「なんしとん?」と関西弁も飄々とした男性が出現
これが竹内浩三なのだけれども最後にもう一からくりあったのも素敵な展開
今の高校生のことも73年前の戦時下のことも知らないのだけれども
とても優しい目線でその二つを繋ぎ描かれ想像させてくれる
そして全然説教くさく笑いと涙の溢れる舞台だった
客席の泣き所がそれぞれ違うようで後半は始終誰かが洟すすって
でも笑いもたくさん
私としては竹内浩三さん、大西弘記さん、関根信一さんを知ることができたのがとても大きな収穫
再演があったら観にいこう
可能なら台本(戯曲)を読みたい
以下面白かったなと思ったこと
-
- シンプルな舞台装置
具体的なものはないけれど
屋上の手すりや、居間の箪笥や、新幹線の座席が見える
地方公演もこのぐらいだったらそう大変ではないのだろうか
地方公演の何を知ってるというわけではないですが - 事なかれで対応していた宮斗君の担任教師との思いがけない再会は
宮斗君以上の変化を彼にもたらした展開 - 担任教師の彼女のリアルな感じ
態度とか体型とか服装とか - 担任教師の彼女宅での父親の扱い
家の呼び鈴が鳴って対応させらるのが素麺を茹でているその父親
私はなんだかそこで泣きそうになってしまった - おばあちゃんが大きい
- 良く聞く関西弁とはちょっと違う伊勢弁
- ブラームスの弦楽六重奏曲第1番が『秘密の花園』で聞くのと
受ける印象がこんなに違うのかと - 私が中学生のとき学校に来た演劇鑑賞会の演目は『リア王』だったなぁ
- 矢野貴大さんの声が優しくこもったようだけど聞きやすい
また全体の雰囲気もよかった - パンフレットに使用されていた竹内浩三さんのイラストがかわいらしかった
これはアステアかなと思うのもあって
私と同じ映画を見て楽しんだんだと親近感
生きていたら映画監督になれたのだろうか
なったとしたらどんな作品を作ったのだろう - 先日観た『赤道の下のマクベス』と繋がっているの
生きていたら、BC級戦犯となっていたかもしれない - 高校生の感想を聞いてみたい
- シンプルな舞台装置
*1:今年の後半から各地の学校を廻るらしい