シアターイースト【ヒッキー・ソトニデテミターノ】ハイバイ


作・演出
岩井秀人

最近異常に足を運んでいる気がする東京芸術劇場
駅から出口さえ間違えなければあっという間に劇場にたどり着けるし
(私はメトロポリタン改札が好き)
池袋も我が家の最寄り駅から近いから
うまくいけばdoor-to-door30分ぐらいで可能
施設の配置もわかりやすくて館内に入って迷子になることもないし
人ごみで動けないということもない
小劇場のキャパもこじんまりとしていて好き
そして最近のラインナップがなんとなく好み
コンサートホールにまだ一度も足を踏み入れていないのが残念なのだが…
今回は何かのチケット発売を確認する為に開いたホームページで目にしたのが去年の12月半ば
そういえば行きたくて行けなかった芝居「夫婦」がハイバイだったと思い出し購入
わが人生初ハイバイ、さっぱり前勉強もせず臨む
出ている役者さんたちが少しずつ演技の質(感触?)が違っていて面白い
実際生活していると「仕事じゃなかったら付き合えない」と思う人たちや
この人「いったいなにやってる人?」と感じる人も多いので
役者たちのテンションの違い、喋り方や空気がずれているのが不思議にリアル
「ひきこもり」の当事者とその親、「ひきこもり」を外へ出そうとする支援団体スタッフのたちの苦しいお話
終演後は余韻に浸っているのか、固まってしまったのか、しばらく椅子から立てないでいる感じの客がパラパラ
私はすっかり親目線で今はまだ5歳の息子のことを考えてしまう
ここに出てきた「ひきこもり」が全員男性なんですもの
特に田村さん演じる太郎君が超苛立たせ演技で凄い
食事中に太郎君が居間に下りてくる物音を捉えて別の部屋へ避難した両親へ向かって
「なんで食い終わってないんだよ!縛りつけるんだよ!」(みたいなこと)
って切れるって、、、もう戦慄
そのあともずっと端々で苛立たせる
作家も凄いが役者も凄い
この見る人を苛立たせる芝居昨年観た
「イキウメ」の「散歩する侵略者」に出てきた高校生にも通じて
(途中同じ人?と思うぐらい声のトーンも似てる。私的には古谷徹声)
帰宅後調べたら「イキウメ」の次回公演「図書館的人生Vol.4襲ってくるもの」で共演される
千葉雅子さんも出演されるようなのでちょっと観たいじゃないですかとなる
(しかもまた東京芸術劇場だ)
で、この芝居を私は
「ひきこもり」を外に出してそのあとどうするの?
という感じの話だったように受け取ったわけなのだが
なんかなるようにしかならないよねって、、ヤレヤレ、、、というのが感想
医療機関ソーシャルワーカーを生業にしている人の話を聞くと
全く想像できないような家族関係や地域社会のつながりで生活をしている人たちが結構いて
当事者も回りも辛いし大変だけど「どうにかするしかないよね」って仕事をしている
そんな世界を垣間見たようなお話しだった
追記:パリ公演もあるらしい