中劇場【トロイ戦争は起こらない】新国立劇場開場20周年記念公演

  • 脚本
    ジャン・ジロドゥ
  • 翻訳
    岩切正一郎
  • 演出
    栗山民也
  • 出演
    鈴木亮平 一路真輝 鈴木杏 谷田歩 江口のりこ
    川久保拓司 粟野史浩 福山康平 野口俊丞 チョウヨンホ
    金子由之 薄平広樹 西原康彰 原一登 坂川慶成
    岡崎さつき 西岡未央 山下カオリ 鈴木麻美 角田萌果 
    花王おさむ 大鷹明良 三田和代
  • スタッフ
    美術:二村周作 照明:勝柴次朗 音楽・演奏:金子飛鳥 音響:山本浩一 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 映像:上田大樹 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:藤崎遊 プロンプ:小川碧水 制作:中柄毅志 プロデューサー:茂木令子

気になってはいたものの日程的に無理だなぁと諦めていたところ
自分の仕事の区切りが以外に早くできてチケット購入
14:00開演が嬉しい
これなら午後休で行ける
うっかり小劇場へ行ってしまったら「ブンナよ、木からおりてこい」だった
雑感
江口のりこさん演ずる預言者カッサンドルがとても淡々と鋭く面白い!
なのに客席の反応が薄くてそれも面白い
大きく映像で映し出されたゼウスの三田和代さんの大迫力
ちょっと麿赤児さんぽい
面白い!
ギリシアのエレーヌ(一路真輝)を略奪してトロイに帰る船で「指一本触れてません」と弁明している段で
乗組員たちがパリスの不全扱いに業を煮やし
実際は何していたかをあったかばらすあたりのトホホ感
そして老詩人の大鷹明良のイライラさせっぷりが素晴らしく
あーあ、やっぱりねと感じで主役エクトールに刺され
幕が下りて「戦争始まらなくてよかった」的な感じになるかと思いきや
降りていた幕が途中で止まりトロイの兵士たちが登場し
「誰に刺されたのか」という問いにギリシアの「オイアックスだ」答える仰天な展開
詩人はエクトールを庇ったのだろうと思うのだけれど
最後までだめじゃーんと腰が砕ける
で、今さっき閉じられた戦争の門が再び開かれて
たぶん皆さんが知っているであろう悲劇が待っている
という展開なので
この辺の物語をちゃんと予習しておけばさらに私の緊迫感が違ったのだろうなと
耳をふさいでじっと耐えているアンドロマック杏ちゃんと対比して
そんな状況下でもトロイラスと明るい日の下でキスをするエレーヌ
戦闘機と思われる爆音が劇場内を通過して幕
戦争したい人したくない人の攻防かと思いきや
戦争は回避しても回避しても始まるときは始まってしまうというなんとも苦しいお話し
 
舞台装置は何本か地下から上る階段の上に円形の設え
舞台下に向かって上るスロープ
開放感とリズムのある舞台がとても美しい
幕間にちょっと覗きに行ったら以外に深い!
最上段からだと相当怖いのではないだろうか
あと鈴木亮平さんは高橋克典さんになんか似ているなぁと