【ベイビーさん〜あるいは笑う曲馬団について】

松尾貴史さんがtwitterでやるよと告知をしたときから
とても楽しみにしていた公演
とはいえチケットを買ったのは3週間前ぐらい
でも結構前方の席が買えて
しかも公演間近になると安売りチケットが出てきたりして
売れ行きは芳しくないのだろうなと思いながら
劇場へ
昔ブルーマンショウへ行ったときとどうやら道程が違うようなので
表参道近くからタクシーに乗ったら
運転手さんも知らなかった
なんか変な劇場
入り口でチケットを見せるともう少し前方の席のチケットと交換されて
客席に入ると後方の客席はシートが張られ
前方のみに客を入れている
なんとも不思議
以前感じた床などが突貫工事っぽいところは当たり前だけど変わらず
客席も前の席との距離が狭く
さぞ太った人は辛いだろうなぁ
始まると松尾さん演じる酔っ払ったピエロの独白
今の時勢のことを皮肉に語ったりして
でも時は戦前から戦時下
最後に見せた中島らもさんの真似がうまい
落語のまくらの様に本筋へと導く
暗転で塹壕で銃撃を受ける二人の兵士
出自は石屋と豆腐屋
真面目な下士官に頭突きを食らわせていた上官はふっ飛ばされてまた暗転
そしてサーカス
なんとなく薄暗くて夢の中のような芝居
両手が吹っ飛ばされた団長さんはドードーの格好をして
「ゆあーんゆよーん」と中原中也のサーカスのフレーズで会話をする
標題のベイビーさんはものを食べない見る人によって代わる謎の動物
サーカスの主要メンバーは実は馬賊
最後は気球に乗ってどこかへ旅立っていく
ピエロはそのまま年を重ね
アル中ピエロの空想だったのか
白い中島らもの世界
空席も多く舞台も広く少しさびく
違う劇場だったほうが良かったんじゃないか
だったらどこが良かったのか考えて
思いついたのが青山円形劇場
丸い舞台で360度から見ることができて
天井も高く
ちょっと劇場自体に哀愁を感じる
と思っていたら
初演が青山円形劇場だった
きっと楽しい空間だったに違いない
何となくだけど
「七人ぐらいの兵士」の一要素になったんじゃないかなぁと
観劇後の反芻で思いいたる
あくまで何となくだけど
それと今回一番驚いたのは隣の席に座っていた女子2人の会話
ユリイカ見ていたら中島らも特集あって、中島らもって有名なんだね」って
隣で腰抜けたわ