【もとの黙阿弥 浅草七軒町界隈】新橋演舞場8月公演


    
新橋演舞場というものだからJR新橋駅から向かったら見事に迷ってしまった
迷うだろうからと早めに出たのにぎりぎり
直前まで値引きのチケットが出ていたりして
客席が寂しいかと思ったら
それほど感じず
久しぶりの花道のある舞台を楽しむ
幕が上がると女性たちのかっぽれの練習風景
そこに一拍遅れてあたふたする女の子がとても愛らしい
うしろで大沢さんと浜中さんが小芝居をしていたのだけれども
そちらよりもこの娘の挙動を目で追ってしまった
波乃さんの身についた着物の立ち姿は
まさにそこにございという感じ
驚くほどの案山子っぷりの真飛さんの着物姿
これで洋装になれば宝塚の腕を見せるかと思いきや
ドレス姿もまた案山子
素晴らしすぎる
そこに入れ子になったオペレッタでのビゼーカルメンに乗せて歌い上げる対比たるや
このための案山子っぷりなのだと
相棒をながしてみていたことを後悔
というよりも舞台の方が美しい方なのだろうな
主従がとりかわってのコメディー仕立て
最後は現実世界に戻れなくなってしまった使用人に
冷や水をかけられる
私は真飛さんに目が行った芝居
床嶋さんのプログラムに書いてあった
自分は特別なんだと思っていた
というくだりにあたれたのも
なんだかちょっと面白かった
井上さんの「丈夫な波乃さん」という表現も素敵なエール
大竹しのぶさんと片岡孝夫さんの初演はどんなんだったのだろうか