【高次脳機能障害】

出向する前に同じ組織で働いていた他部門の人間と思わぬ場所で再会
ただ、彼は私を認識できない
脳出血で暫く療養し職場に復帰していたのは知っていたが
その後、交通事故に見舞われていたのは知らなかった
話によれば飛び出して来た老人をよけて負傷されたのだとか
その事故で高次脳機能障害となり今は支援施設に親と通所している
面影はあるもののやはり知っている彼とは違う
彼は目を離すと直ぐにいなくなってしまうらしい
入院中もセンサーが付けられていたとか
専門の資格を持つ彼は「仕事をしなければ」と職場に行くらしい
私が仕事で接して感じていた彼の勤勉さ真面目さは
彼の芯の部分だったのだと知り
とても悲しくなってしまった
確かまだ30代前半なのだ