【坐漁荘の人びと】劇団民藝提携公演

おおたきひで爺

遠いようで近い昔の日本のお話
なにしろ主演の大滝秀治さんはこの舞台で勃発する226事件当時小学校5年生

本郷にいて「親父に連れられて出かけたんだ。けど、大雪でとても寒くてねぇ。神田まで行って引き返してしまったよ」

226事件を挟んだ坐漁荘の日々の話
教科書の中での事件のことが1人の役者を通してずっと近くなる
そんな彼が演ずるのが西園寺公望(PCで一発変換だ)
飄々としている
彼が隠居している坐漁荘は限られた人のみが過ごす空間
男性は夜にはいなくなってしまう
良家の子女が箔をつける為に働く坐漁荘
一見大奥のようだけれど女子校或は女子寮のような感じで描かれる
もう少しそれぞれの物語があってもと思う反面
天下の一大事が起こる芝居なのでそれどころでもない
奈良岡さんが30代のという設定に当初面食らうが
芝居ですものこちらも観る力を発揮
あだっぽい姉さん風情が流石
着物の馴染み具合も流石
物語としは天下の一大事があったとしても
日常は日常レベルでまわっているということなのかな
そんな大義を語られても
もう一本の軸は男女の事件
駆け落ち同然で坐漁荘を出たのに
板前の旦那は外に女を作ってしかも孕ませて
なのに坐漁荘に戻って女中頭をしているところに連絡つけて
また板前として戻ってくるような
糞男などが描かれてます
素直に「うぁむかつく」とこちらに共感してしまうのです