【ロマンス】

ロマンス

2度目
今回は2階席
オペ室の前
見比べて2階席の方が良かったかも
舞台装置・照明の美しさがよくわかる
各々の動きも把握できる
2回目だったからより良かったのかも
約1ヶ月前の初見時よりずっと良い
よりスムーズ
そして空気が優しい感じがする
こちらもセリフを追うのではなく感じる余裕もあったし
チェーホフの4大戯曲はやはりボードビルかも
と思う機微も発したり
チケット代は安くは無いけれど
1回目より楽しめた
ついでに戯曲が掲載された(舞台写真も数枚掲載)小説すばるを購入
字で追うとまた違った印象
さらさら〜って読めちゃう
舞台で笑ったところが少しも可笑しく無い!
舞台って凄い
演出って大きい
この舞台のチェーホフスタニスラフスキーへの苛立が少し解る気がする
初見では気にも留めなかった台詞が引っかかった
『三人姉妹』についてチェーホフスタニスラフスキーにダメだしする段で

チェーホフ
 いけなくはないが…わたしたちがうっとりと美しい未来を語っているうちにも、狡がしこい人たちが、現実を、きたいない、みにくいものに変えてしまうんだ。だから、いつまで待っても、その美しい未来はやってこない。

キーボードを打ってみて更に
作者の言葉の選び方、句読点の打ち方、に気がつく
なるほど、そこがボードビルなのか

しかし、やはり一番心に留まるのは
チェーホフが妻オリガへ宛てた手紙の冒頭の気のきいた呼びかけ

やあ、すてきな奥さん、わたしの喜びさん、黄金の五十キロのかたまりさん、世に並びなき女優さん、血色のいい赤ん坊さん、明るい明るいともしびさん、タフでたくましいドイツ娘さん、返事をくれないひとでなしさん、かわいくクダ巻く酔っ払いさん、

素敵すぎる
これを確かめるためにも『チェーホフ・クニッペル往復書簡〈1〉1902~1903 (1984年)』を買ってしまいそうな勢い
井上芝居に必須の歌
これも初見時より良い
そして皆さん達者
松さんの聖子ちゃんっぽい歌い方とか
生瀬さんの柔らかく優しい声とか
大竹さんの変化に富んだ表現とか
段田さんの正確を求める実直さとか
これはなんですか!という難しい旋律を落とした声で歌う流石井上さんや
包み込むような木場さんの歌声に
しばしば聞き惚れる
千秋楽までにもう一度足を運べたら運びたい
見たら見ただけ深みが増すそんな舞台
前回感じたもの足りなさ感は感じず
でも、大概の客は1度の機会なのだからそれではだめなのか、、、
そして、生きていらっしゃったら絶対観に行っていた米原万里さんの感想も
お伺いしたかった
なにしろロシアが舞台ですから