ねないこはわたし

ねないこはわたし

せなけいこさんの絵本的エッセイ
(エッセイ的絵本)
ねないこだれだ」をはじめとするせなさんの絵本が
どのようにして作られ発売されていったのかや
製作の過程を覗くことが楽しい一冊
のっけから「ねないこだれだ」はしつけのために書いたものではないという驚き
おばけを怖がりながらも楽しむ子どものために作ったのだと
そしておばけをたくさん勉強してたくさんおばけの出てくるお話を作ってきたのだと
そんな制作秘話も楽しかったのだけれども
この本に書かれているせなさんの生い立ちもかなり面白い
まずせなさん兄弟5人にそれぞればあやがついていたこと!
凄いお嬢様なのだ
小学校からお茶の水附属に通っていたこと
そのまま大学に入って卒業後はお嫁さんになることを親に望まれていたのを
高卒で独立するためにおじのつてで日本銀行に就職!
で19歳で武井武雄氏のところへ直接訪れて弟子入りをしたのだとか
絵本作家になりたいと絵の勉強を始めてから最初の絵本を発刊するまで
18年かかったこと
落語家とあっという間に結婚したこと
「武士の家系で躾に厳しく遊ぶ友達も家柄で選ぶような人だった」と書かれるせなさんのお母様は
相当強烈だったらしく
文のところどころにあらわれてはせなさんの切なさが滲んでくる
空襲で家にあった本がすべて焼けてしまってからは
(本以外も焼けてしまっただろうに)
大切な本は何冊か持っていないと不安で仕方がないと
また、自分の子どもに絵本を買うようになってからは一度に3冊(息子、娘、自分用)購入したのだと

本は絶対に捨てられない。だって、捨てたらいつまた、手に入れられるかわからないから。

とてもよくわかる
本当に本は捨てられない
そしてせなさんが捨てられないものがもう1種類

紙は捨てないで、全部取っておく。
だって、後から同じうさぎを登場させたくなったとき、同じ服を着ていなきゃ困りますからね。

素敵な紙コレクションの一部もみることができる
作品の絵はもちろんのこと
下書きやらきわめて初期の貼り絵なども載っていて
とても楽しい豪華な本
あっという間に読み終わってしまった