【消失】ナイロン100℃ 43rd SESSION

発売してからしばらくして
平日の昼間の公演を探したら
クリスマスイブしかなかったので
購入したのだけれど
この芝居をイブに見られる幸せ
再演で前回公演も見ていたはずだけど
どんな話だったかとほぼ忘れた状態で挑む
そうだった、そうだったと思い出す
正面に大きな窓
表の通りよりちょっと低めの部屋
天井から何本も太いダクトが見えている小さな部屋は
下手に小さなキッチンその隣にトイレへのドア
上手奥に二段ベットその手前には2階への階段がのぞく
窓の外は半分以上視界は遮られて
通りを歩く人は足元しか見えない
大きい兄と小さい弟がクリスマスの飾り付けをしているシーンから始まる
大きな戦争の後の世界
空には二つの月が昇る
登場人物は大きな兄(チャズ)と小さな弟(スタンリー)
小さな弟が思いを寄せる女性(スワンレイク
口も脚もあやしいお医者さん風の兄弟の友人
貸し部屋の広告を見て部屋を借りにきた女性(ネハムキン)
ガスの修理としてやってきた(ジャック・リント)
それぞれが微妙な距離感で<近づき
過去が見えてくる
過去もたくさんの愛する人が亡くなり
芝居の終わりにまた愛する人が亡くなっていく
その人物自体の消失であったり
記憶の消失であったり
よりどころの消失であったり
そのさまざまな消失はさっと訪れざっくり傷をつける
ずっと流れる「Happy Together」の歌詞のように
一緒にいるだけで幸せな時間
なくなってそれがまざまざと浮かび上がる
大きな戦争というのが前回の公演よりずっとリアル
また、人工の月を打ち上げ移住させたものの
月にすむ人々もろとも維持ができないと見捨ててしまうという設定も
あながちありえなくはない話として自分に入ってきてしまう恐ろしさに
身震いしてしまう
終演後号泣している女性あり
とても揺さぶる作品
声を出さないまでも泣いた方が多いのではないだろうか
映像化しないというのも
消失っぽい
当日券もキャンセル待ちも全部でたらしい
そういえばちょっと前まで通路に座布団の当日券があったけれど
防災関係でつくらないのだろうなぁ
もっとたくさんの人が見られたら良かったのに