【第12回 世界バレエフェスティバル Aプロ】

■第1部

    • コッペリア
      音楽:レオ・ドリーブ 振付:アルテュール・サン=レオン
      • ヤーナ・サレンコ 
      • ズネデク・コンヴァリーナ 
    • 「パリの炎」
      音楽:ボリス・アサフィエフ 振付:ワシリー・ワイノーネン
      • マリア・コチュトコワ
      • ダニール・シムキン

■第2部

    • 「ナイト・アンド・エコー」
      音楽:イーゴリー・マルケヴィッチ 振付:ジョン・ノイマイヤー
      • エレーヌ・ブシェ
      • ディアゴ・ボァディン
    • 白鳥の湖」幕3より
      音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー 振付:グレアム・マーフィー
      • ルシンダ・ダン
      • レイチェル・ローリンズ
      • ロバート・カラン
    • 「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
      音楽:ジュール・マスネ 振付:ケネス・マクミラン 
      • アリーナ・コジョカル
      • ヨハン・コボー
    • 「アパルトマン」より”ドア・パ・ド・ドゥ”
      音楽:フレッシュ・カルテット 振付:マッツ・エック
    • 「ベラ・フィギュラ」
      音楽:アレッサンドロ・マルチェッロ 振付:イリ・キリアン
      • オレリー・デゥポン
      • マニュエル・ルグリ

■第3部

■フィナーレ
「眠れる森の美女」よりアポテオーズ

あっという間に終わってしまったチャイコ
バランスで愛らしいコッペリア
エキゾチックで濃いアレキサンダー大王
ドラマチックで大人な海賊
ちょっと残念な上野さんの黒鳥
ま、さんなこともあるさと
まずまずガラ公演を楽しんでいたのですが
もう、シムキン!ブラーヴォ!
につきます
シムキンが出てきた途端空気が変わりました
ドーダ、ドーダ、ドーダの応酬
シムキンはコサック兵ばりのダイナミックな空中技と
いつまで回るんだと言うピルエット
しかもエレガントに収束させる余裕
まあ愛らしい顔で次から次にみせていただきました
女性のバリエーションは凄いことやってるのに若干地味な感じですが
最後のグランフェッテでは
「あっ落ちた」と思ったら
次の瞬間ソッテしてまた回り始めたり
「正面がずれた!」と思ったら
90度ずつ方向を換えて360度回ったり
初めて見る技の連続
どうしたらあんなことが出来るんだ
圧巻で第1部終了
第2部はコンテンポラリーが中心
どのコリオグラファー自分の好みなのだかお試しできる楽しいプログラム
なんかコンテンポラリーって暗めな照明が多いような気がする
なので興味が無いとすぐ落ちてしまうのだけれども
今回は私の気も高ぶっていたお陰か無事落ちること無く鑑賞
初めて見る中では「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」が面白い
なんて言うんですか、不安な感じや
焦燥感を感じさせられたりもしたんですが
面白い
「アパルトマン」も
コケティッシュだったりやっぱり不安な感じがする
可愛いカッコしてるけど凄い筋肉がアンバランスで
なんかそれも楽しい
グレアム・マーフィーの「白鳥」は数少ない見たことのある作品
これは情念の幕です
前振りが無ければ入りず来と思うのですが
気迫のルシンダ・ダン
怖い
また来日するらしいので
観に行こうと心に決めました
「マノン」はストーリー的に苦手な作品なのですが
コジョカルが愛らしくて切ないです
「ベラ・フィギュラ」は大好きな作品の一つ
キリアンのカンパニーでないダンサーが躍るとまた違う雰囲気で新鮮
かつ得した感じ
そして第3部
「海賊」のナターリヤ・オシポワ
私は3階席でしたが
上から見ていてもわかるもの凄いジャンプの高さ
地上目線で見たら大変なことでしょう
こればっかりは1階席で観たかった
で、「ル・パルク」
モーツァルトだけどずっと現代的
興奮をすっと冷ましてくれる
凄い落差
で、「ブレルとバルバラ
シャンソン、どんとベジャールの世界
マスゲーム的でないベジャールっぽいところを抽出液のように
濃縮果汁で少し長めに
もう新作を見ることができないのかと
寂しく思う
そしてタマラ・ロホの「エスメラルダ」
パ・ド・ドゥを観るのは初めて
こんなに見所のある演目とは
タマラの独断場
「いつまで立ってんの!」というバランンス
「どんだけ回るの!」というコーダ
それが全く余裕な感じ
圧巻
夢のようにあっという間に終わってしまったというのが
実感
構成の妙と言うか続いたのが「オネーギン」
演劇的
台詞が聞こえてきそうなドラマチックな舞台
しっかり筋を知らないのに
泣きそうになってしまいました
シュツットガルトが次来日したら観に行こうと思った次第です
そしておおとりが「ドンキ」
景気よく終わるのが良いですね
お祭りの催しの最後にふさわしい演目
もうちょっとと思うところもなきにしはあらずでしたが
ザハロワの音とぴったりと揚がるグランフェッテの足に感嘆
絶対音感ではなく絶対リズムを持っているに違いありません
しかもオケとあわせることの出来る柔軟性
流石プロ
まさしくプロの至高の技を堪能したプログラム
帰宅しても夢見心地
幸せな時間でした