中劇場【ロメオとジュリエット・令嬢ジュリー】谷桃子バレエ団創立60周年記念公演2


    • 芸術監督:谷桃子
    • 演出・振付:ビルギット・クルベリ
    • 振付指導:ヤチェク・ソレツキ
    • バレエ・ミストレス:尾本安代 大塚礼子
    • バレエ・マスター:赤城圭 平田貴義 岩上純
    • 美術監修:橋本潔

■「ロメオとジュリエット」

    • ジュリエット:佐々木和葉
    • ロメオ:今井智也
    • ティボルト:近藤徹志
    • パリス:須藤悠
    • マキューシオ:下島巧佐
    • ジュリエットの父:枡竹真也
    • ジュリエットの母:川原亜也
    • デューク:陳鳳景
    • ロメオの父:内藤博
    • ロメオの母:広瀬万弥子
    • 道化:山科諒馬

■「令嬢ジュリー

    • ジュリー:伊藤範子
    • ジャン(下男):リーガン・ゾウ
    • ジュリーの婚約者:岸田隆輔
    • クリスティン(ジャンの婚約者):樋口みのり
    • ジュリーの父親:樫野隆幸
    • クララ(森番の娘):伊藤さよ子

14:00開演で2演目休憩込みで16:30には終わるのだから
相当スピーディーな展開
直前にチケットを購入したにもかかわらず
センターブロックの前から2列目
ダンサーの汗が飛び散る様もしっかり見える特等席
非常にラッキー
前回の公演を観たのが2000年のゆうぽうと
当時の衝撃が蘇る
ジュリーは高部尚子さん
ジュリエットは伊藤範子さんでした
両演目ともぎゅっと濃密で
「あっという間に終わってしまった」
と思いながら寒い道五反田駅に向かった記憶
今回はジュリーを伊藤範子さん
ジュリエットを佐々木和葉さんが演じたのだけれども
濃密な空間は変わらず
またもやあっという間に終わってしまいました
「ロメオとジュリエット」は
装飾も物語も極限にこそぎ落とし
モンタギューとキャピレットを象徴する
赤と青の大きな旗が主役ともいえるダイナミックな舞台
聞けば、体育館で練習していたとか
物語はダイジェストのようにコンパクト
登場人物も少なめ
それだけに芯となる部分に焦点を当て
踊り落とす舞台
象徴的でモダン
最後はロメオとジュリエットが死の床で
互いに手を重ね天に伸ばし
和解や再生をイメージさせる
令嬢ジュリー」は本当に扇情的で背徳的
年若い少女達も沢山客席にいたし
小さなお子さんもいて
さぞかしお母様方は居心地が悪かったに違いないといった内容
しかし、実はお嬢さんや恋人や奥さんに連れてこられた男性が
衝撃を受けたかもしれないと思う作品
親と子の関係、男と女の関係、そして社会階層が
ぶつかり揺らぎ壊れていく物語
高部尚子さんが一番好きな作品だという
情熱的な人だと思う
今回は伊藤範子さん
品の良さが端端に現れて
終末に向けての哀れさが際立つ
物語の展開としては「ジュリーもう一踏ん張り!」
とやるせない
久しぶりに観た谷桃子の舞台は
女性陣が本当に上品で清々しい
物語を大切にしてとて真摯に接している感じが伝わってくる
そしてクルベリ女史のモダンさに驚く
マッツ・エックの母親かーと納得
2000年に観た時分はバレエを始めたばかりで
舞台を観た回数も少なくただただ吃驚したのだけれど
年を経て変な知恵もついて穿った視点を持ってしまった今でも
とても新鮮な舞台
そして、今回は見ることが出来無かったけれど高部尚子さんや
今回十分に楽しませてもらった佐々木和葉さんらの
レッスンを受けれた機会に恵まれた幸運に感謝