【フユヒコ】劇団青年座第193回公演マキノノゾミ三部作


劇団M.O.P.」の舞台はここ数年見続けていて
マキノノゾミさんの戯曲・演出の芝居も気がついたら足を運んでいて
数年前に観た劇団青年座の「赤シャツ」が何だかとても面白くて
マキノノゾミさんが青年座の為に書き下ろした戯曲を
一挙に公演するとう企画は
とっても気になっていたのに
行く気になったのが数日前
チケットあるのかなぁと思って青年座で直接買い求めたら
最前列の端
下手に真ん中の席だと紀伊國屋の場合異常に観にくかったりしますので
思わぬ良い席で
嬉しいわぁと思って着席
とても手の込んだ舞台セットが本当に間近に見ることが出来て
良い感じ
フユヒコのモデルになったのは
実験物理学の寺田寅彦氏で
恥ずかしながらこの作品で初めて名前を知った
美男美女は登場せず
世間を揺るがす大事件も起こらない
身近な問題を研究の課題とするフユヒコ氏の私生活を愛情あるまなざしで
日常でちょっとした事件が起こった断片
フユヒコ氏の学者的思考がモノローグとして挟まりながら描かれる
特に素敵だったのがフユヒコ氏の後妻で悪妻として登場する
寺田リンさんを演ずる津田真澄さん
馴染めないくつんとした風情
ちょっと見せるお茶目さ
あまり感じない女である感じ
最後に寺田氏の長女が「なんだか女だわ」みたいな言いようで「りん」の違和感を表現する
大分大きくなった4人の子供の居る家庭に後妻として入った女性の
居心地の悪さがふんだんに滲み出ている
母親、妻を求められるけれど
女として、また個人として生きたい鬱屈さを感じ
マキノさんの人間に対する優しさを感じる